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Channel: 高山清洲・世界平和 人類みんな兄弟
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水道民営化の「罠」とは、一旦売り払った水道施設を買い戻して「利」を得るという姑息な手段である!!

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水道民営化の「罠」とは、一旦売り払った水道施設を買い戻して「利」を得るという姑息な手段である!!

 麻生太郎の娘は、フランスのブェオリアジェネッツという大手水道会社の幹部と結婚していますが、この会社に麻生太郎は高地県の水道施設を売り飛ばしましたが、違法行為ですな!!

 また委員会では、英国の場合は、15年間で再公営化された水道施設は235件もあったというのに、失敗例は僅か3件と厚生労働省は報告していた。

 子のありさまを、そのまま血税搾取の手口として使おうという売国奴達の貧曾な考えなのである!!

 

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)より

水の商品化・民営化
マニラの水道民営化の失敗

ヴァイオレッタ・Q・ペレーズ・コラール
NGOフォーラム・オン・ADB

 2002年12月9日、マニラッド水道事業会社(Maynilad Water Services Inc.)は、
フィリピン政府と結んでいた委託契約を破棄すると通告した。
同社は、マニラ首都圏の消費者に対する水道サービスの提供に失敗した原因が政府にあるとして、
同社が民営化後に行ったとする3億300万ドルと同額以上を返金するよう求めている。

マニラッドは、政府が所有していたマニラ首都圏上下水道サービス(Manila Metropolitan Waterworks and Sewerage Services: MWSS)が1997年の8月に民営化された際に生まれた2つの事業体のひとつであり、
アジアで初の巨大水道事業の民営化の成功例とされている。
1995年に国家水危機法が制定されたことを受け、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は、
620万ドルという高額の有料助言業務を提供することを通じ、1996年から97年にかけて
フィリピン政府にMWSSの民営化の戦略を働きかけていた。(*1)

 ロペス社傘下のマニラッドは、フランスの水企業大手スエズ・リヨネーズ・デゾー(現在はオンデオ)と手を組んで
マニラ西地区の委託契約を落札した。
東地区を落札したアヤラ(Ayalas)社傘下のマニラ・ウォーターには、
イギリスのユナイテッド・ユーティリティーズ(United Utilities)とアメリカのベクテル、日本の三菱商事が参加している。
マニラッドとマニラ・ウォーターはそれぞれ一平方メートルあたり4.96ペソと2.32ペソという料金設定で契約を落札している。
民営化前のMWSSの料金は1立方メートルあたり8.78ペソだった。
マニラッドとマニラ・ウォーターは、それぞれの契約の下、25年かけて、水道システムの修復を図りつつ運営を行い、
漏水を減らし、違法な水利用を監視し、またサービス提供エリアを拡大することを約束した。

 1997年当時、マニラの水道を民営化する理由として、以下のような点が挙げられた。
(1)民間セクターは、水道サービスを拡大するために海外から投資を呼び込み、
MWSSに補助金を出している政府の負担を軽減することができる。

(2)より効率的で、政治色のないサービスを提供でき、汚職も減る。
MWSSに出資している世銀やADBもまた、民間セクターに事業を委ねることを後押しした。
1995年の時点で、MWSSは総額で3億700万ドルの長期融資を受けていたが、
そのうちの2億5000万ドルが世銀とADBからのものだった。

市民グループは、水は公共財であり、公共機関が管理すべきものであるとして、水の民営化を批判してきた。
水は生命維持に不可欠の物質であり、金持ちも貧乏人も等しく水に対する権利を有しており、
したがってこの権利は民間セクターの利益追求の対象とされるべきではないという理由からである。
その他、透明性や意思決定プロセスにおける協議の欠如、政府の規制能力の不足、大規模な解雇、
幅広い選択肢から政策を決定していくというプロセスを経ていないことなどを非難している。

 民営化に際し、利用者に約束されたのは、水道料金の引き下げだけではなかった。

10年以内に水道普及率を100%にすること、
当初10年は実質的に料金の値上げを行わないこと、
25年間で75億ドルの新規投資を行うこと、
すべての水道利用者に3年以内に保健基準省の基準を満す水質で水を24時間、間断なく提供すること、
当初10年間で無収水率(料金を回収できない水消費の率)を56%から32%に減らすこと、
25年以内に80%の地域で衛生状態と環境を改善するために効果的な下水処理プログラムを実施すること、
25年間で40億ドルの税収をもたらすことなどが、民営化の恩恵として約束されたのである。
(表1にて上下水道サービスおよび浄化槽の普及率の現状と、25年間の委託契約の実施目標値を参照)

 民営化後、まず行われたのは雇用削減であった。
当初5400人いた職員は2000人にまで削られた。
3000人あまりの職員は職を追われたり、退職制度を利用するよう強いられ、その多くがいまだに失業中である。
民営化から5年後の2002年12月、マニラッドの撤退が、この民営化の失敗を決定付けた。
しかしそれ以前から、いくつもの兆候が失敗を示唆していた。

水道料金の高騰
 2003年1月までに、マニラッドの水道基本料金は1立方メートルあたり21.11ペソと、当初の4倍に跳ね上がり、
マニラ・ウォーターの場合は1立方メートルあたり12.21ペソと、ほぼ500%にまで上昇した。
民営化後初めて料金の値上げが承認されたのは2001年の10月である。
これは、1997年のアジア通貨危機によって二社が被ったペソ暴落による外国為替上の損失を埋め合わせるために損失の発生した四半期のみに適用を認められた値上げで、二回目の値上げは2002年に行われた料金の算定基準の改正によるものだった(図1、2参照)。

 MWSSの外貨建て融資の90%を引き継いだマニラッドが値上げを承認されたことは、
政府がひいきにする民間企業、ロペスの救済策だとの見方が大方であった。
2001年3月、マニラッドは一方的に、月々2億ペソ(US400万ドル)の委託契約金の支払いを停止し、
料金値上げ後も支払いを再開しなかった。
料金を上げてもマニラッドの収支は改善しなかったのである。
そして、その責任はフィリピン政府が引き受けることになってしまった。
つまり、MWSSの民営化で民間に委譲されたのは利潤だけで、リスクの大部分は委譲されずに政府が抱え続けていたのである。

無収水率の削減について
 民営化がもたらす恩恵として、無収水率(漏水や盗水などによる損失)を、1997年以前の56%から2001年には平均37%に改善することが約束されていた(表1)。
マニラ・ウォーターの主張とは裏腹に、政府当局によると、状況は約束された通りにはなっていない。
マニラッドの無収水率は、1998年の60%から2002年には68%に増加している。
無収水は、マニラッド社の最大の関心である収益に悪影響を与えるだけでなく、人々の関心事である、希少な天然資源の浪費を意味する。

サービスの向上について
 2社は、水道の普及目標は達成されたと主張している(表1)。
両社によると、新たに200万人が水サービスを受けられるようになり、その半分が都市の貧困者であると考えられている。
しかし政府当局は、これら企業が「水道へのアクセス」を広く定義し、一世帯の平均人数を多く見積もるなどによって、
普及率が過大評価されていると主張している。
さらに1997年に設定された浄水槽と下水道の設置目標は大変低いものだったが、
両社がほとんどの投資を行わなかったために達成されていない。
2000年に行われたMWSSの調査では、マニラの100地区の55%で住民の状況に変化はなく、
12%は水サービスの悪化を訴えており、改善したと答えているのは33%にとどまっている。

貧困層への影響
 マニラッドもマニラ・ウォーターも、都市貧困層の居住地域を対象とした計画を有している。
現在水道にアクセスのある貧困者は、水売りから買っていた以前に比べて少ない支出で済んでいる。
女性や子供は、その日に使う水を得るために2~3時間、あるいはもっと長い時間、列に並ばねばならない生活から解放された。

 都市の貧困地域に水を供給するときに障害となるのは、
(1)都市の貧困地域に水道を引くにはもっと巨額の資金投資が必要であること、
(2)水道敷設のコストが高いこと、
そして(3)所有権が保障されないこと、などである。
物理的に家屋が密集しており、パイプの敷設が困難であるため、マニラッドが模範事例と自画自賛した
トンド(Tondo)地区のパローラ(Parola)集落のケースのように、30~50%の追加的な投資が必要とされる可能性がある。
しかし、民間企業の利他主義は長く続くのだろうか?

 しかしパローラ集落の中でも、全8,000世帯のうち3,000世帯(人口の40%近く)が、
マニラッドの水道にアクセスができないか、アクセスを許されなかった。
この3000世帯で最も貧しい70%の人々が、水道メーター設置のための初期費用4000ペソを、
有利な支払い条件が提示されているにもかかわらず、負担できないからである。
その他の30%の人々については、今後5年以内に彼らの小屋が撤去されることになっているため、
インフラに投資しても回収できないと踏んだマニラッドが水道管の敷設に同意しなかった。
さらに悪いことに、マニラッドは水道が届いていない人々に水を分けたり、売ったりすることを禁じた。
以前は「無料で」水を供給していた公共水栓もまた、マニラッド社の管理下となっており、もう使用できない。

 現在、マニラッドの委託契約の行方は、パリに本拠を置く国際商業会議所(ICC)の仲裁パネルの3人のパネリストが支配している。2003年2月8日に発効した裁定は、マニラッドによる委託契約の破棄を無期延期にするというものだった。
つまり、仲裁プロセスが完了するまで、マニラッドが西地区の水道事業を継続するという意味である。
2003年1月、マニラッドの経営陣は、契約で取り決められている解約料が支払われない限り、経営権を政府に返還しないと発表している。
一方、MWSSは、もし同事業を引き受ける民間セクターがいなければ、事業を引き取ると述べている。

以上

 

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