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緊急事態! これが福島の現実!

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これが福島の現実!

以下、転載



福島県の東半分で空間線量の異常値が続発! 2014/ 8/12(改 2015/ 4/27)  以下、これまでの調査報告。内容を厳密にするために更新して行きます。

 福島県の東半分は殺人的なガス室の状態!

 原発事故の翌年には空間線量の異常値は頻発しており、モニタリング ポストも今より台数が遥かに少ないのに、1mSv 以上が続発している。
 このデータ元の原子力規制庁 監視情報課(03-5114-2125)も福島県の責任主体である災害対策本部 放射線監視室(024-521-8498)もこれほど危険な現実の無視を続ける!


 ※ 原子力規制庁が、機器の点検・移動のため、施設内で除染をやっているため、としているケースや、一律に通信の不具合が認められるケースは除く。郡山市では異常値が目立つが、多くが除染を理由にしている。
 ※ 個々の異常値のデータについては別途提供。

http://ma-04x.net/all.html
 全国サムネイル・・・原子力規制庁の全国のモニタリング ポストの空間線量率を折れ線グラフ化し、1日の空間線量の変化が分かるので便利。但し、福島県内に置かれるモニタリング ポストについては全体の数分の一しか扱っていない。
http://www.whitefood.co.jp/map.php
 ホワイトフード・・・ 今現在、全国のどこで空間線量に異常があるかが分かる。但し、過去の状況は分からない。
http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/download.html
 原子力規制庁 監視情報課・・・全国のモニタリング ポストの空間線量率(10分ごとの平均値)を、ポスト・日時を指定してダウンロードできる。最終確認に。

*      *      *
<< 致命的な吸引被曝が一切 無視されている >>

(1)福島県内には原子力規制庁の管理で、現在 3,625 台の環境放射線モニタリング ポスト(以下「ポスト」)があり、全国には約 700 台 + 原発の敷地内外にこれが置かれているが、全国でも、福島県の浜通りと 2011/ 3/15 放射性プルームの通り道(福島第一原発から北西へ、福島市辺りから南へ)辺りに圧倒的に集中して空間線量が急上昇・急下降する現象が続発している。通常値の 1,000 倍やそれ以上になることも。
(2)しかも、この地域に集中して数百μSv/h~77mSv などという数値が出る。
 例えば、2014 年だけでも、6/ 29 大熊町の小入野地区公民館で 677 μSv/h、7/26 浪江町の末森集会所で 640 μSv/h、 7/ 3 二本松市の市立川崎幼稚園では 1069 μSv/h まで上昇。それ以前には福一原発から南に20km強のうちの広野町でもミリ シーベルトのレベルを記録した(規制庁は広野町役場に伝えているが、両者とも日時・ポストを公開しようとしない)。
(3)今、規制庁の膨大な元データを更に確認中だが、2013 年・2012 年は、モニタリング ポストの数が圧倒的に少ないにも拘わらず、数百μSv/h~1mSv 以上の数字が目立って多い。
 今ではこの異常値は、県内のポストの数分の一しか扱っていない全国サムネイルで確認できただけでも、福島県の東半分のどこかで、数日に一度ある。つまり、毎日のように起きている。
 以下、具体的に説明する。


 時間経過で観ると、グラフがこうしたスパイク状になる場合が多い。急上昇・急降下を繰り返す場合や、急上昇したあと不規則に変化する場合も。

 最近では、数値が急上昇すると、原子力規制庁の監視情報課ではWEB上へのデータの出力を遮断する。どこまで数値が上昇したか不明。監視情報課では以前は自分で遮断したことを認めたが、その後、機器の不具合に伴って欠測になると言い出した。以前と違って最近では数 μSv/h も上昇するとデータが無くなるが、不思議だ。

 大陸由来の放射性のダストが通り過ぎた新潟県の例。ダストが大きく拡散したプルームでは山も徐々に上がり下がりする。このプルームは新潟平野を横断してしばしば福島県を横切ることが確認できる。
 原子力規制庁は中国西部・カザフスタン東部での大気圏内核実験による残留粉塵がPM2.5や1.0として飛来したものと言う。また、中国全土の 200 機以上の火力発電所ではウランその他の混合石炭を燃やしており、これが最も危険だとされる。

<< 復興計画や原発再稼働が吹き飛ぶので、規制庁は吸引被曝の現実を認めようとしない >>

 原子力規制庁には監視情報課を中心に7月末から取材を始めた。福島県では災害対策本部 放射線監視室が環境放射線モニタリングを担当している。
 こういう異常値があると、規制庁の監視情報課では、地元の役所に電話をしてポスト周辺の環境の変化を確認すると共に、契約する富士電機などの事業者をそのポストに確認に行かせて、周辺の地上1mの空間線量率だけを測らせ、毎回々々「~ の測定値は機器不具合によるものです。現地ポスト周辺の線量に異常がないことは確認済みです」、あるいは「通信の不具合」として片付けている。2012・2013 年は様々な理由を付けていたが、最近は「機器の不具合」ばかり(「放射線モニタリング情報」から辿った「測定器情報一覧」をご参照)。実際に放射性物質に反応したとするのは 2013/8/19 福一原発から北北西に放射性のダストが拡散した1例だけで、これも、東京電力が飛散を認めたので翌年 認めた。規制庁の膨大な空間線量率の元データを調べると、3.11以来ずっとこのデタラメ、即ち、「福島は安全・安心」誘導を繰り返している。
 いろいろ確認してみれば分かるが、相当 高線量のダストであっても、地面であれば面的な広さが、大気中であれば厚みがないとないと、1mも離れればバック グラウンドの数値に埋没する。規制庁は、通常の測定もそうだが、地上1m測定にして、周辺の地表に落ちているも知れない放射性のダストやガレキの存在を故意に無視。異常値の確認作業ではポストの表面線量も測らない。
 また、あるポストが再び異常値を示したり、数値が上昇したままだったりすると、監視情報課では鳥や小動物の影響を挙げて、とにかく曖昧なままにして片付ける。一貫して危険を放置。
 そして、彼らは、2014 年の夏、この現象が一部のメディアで注目されると、原因を「暑さのために機器に不具合」と記者発表した。福島県は全国で最も暑いのか? 確認できている限り、2014 年、福島県外で通常値の3倍以上に急上昇したのは、高知県・宮城県・福井県での3例だけで(2014 年)、その前の二例は0.25 μSv/h 以内。規制庁の元データを見れば一目瞭然で、異常値は季節に関係なく日常的に起きている。暑さ説は24時間 全国をモニタリングして異常をチェックしている監視情報課のいつもの「福島は安全・安心」誘導であり、記事や映像になれば満足するメディア向けのウソである。
 また、彼らは、異常値が福一原発の近くで頻発している点については、雷の影響ではないか、とのコメントをメディアに撒いた。
 証拠を並べてこれらの言説を追及すると、彼らはソロソロとインチキ説を引っ込めた。

 第一、異常値を「機器の不具合」のためとするなら、平均値から下向きの急降下・急上昇のスパイクはなぜ殆ど見かけないのか? そういうスパイクがあった時、規制庁は「機器の不具合」の確認が要る筈なのに、無視している。
 また、大型トラックなどがポストの前に少し止まっただけでもガンマ線が大きく遮蔽されて下向きのスパイクになりそうだが、そんな目立った波形はなかなか見ない。だから、規制庁が言う「汚染された車両がポストのそばに止まって数値を上げる」説も可能性のケースの一つに過ぎないだろう。
 ある時から数値が下がったままになるのは、調べてみると、周辺を除染したか、近くにガンマ線の遮蔽物が置かれたか、のどちらかによる。うちの広野町ではポストが新設置されると暫くして数値が下がるが、周辺を除染して“目標値”の0.23 μSv/h 以下にする。ゼネコンの仕事。

 規制庁とはのべ20時間は様々な問題についてやり取りしているが、規制庁は経済産業省と利害一致で、「福島は安全・安心」の結論ありき。過酷事故を起こしても福島は安全 → 甲状腺癌の子供が 100 人を超えたが原発事故とは関係ない・・・安全神話を今も続ける。県民放置の態度を変えない。彼らはウソ・ゴマカシ・隠蔽が仕事かのようだ。


<< ポストのメーカーを取材した >>

 ポストのメーカーは富士電機・日立アロカメディカル・NECの3社。
 各工場を取材すると、そう難しい機器ではないので、測定の精度に関してはおおよそやれる対策は以前からやって来ている。
 富士電機では、電気性の電磁波の影響については、ガンマ線検出に支障が出そうなレベルまで、金属板のキャップでセンサーをシールドしている。
 もとよりポストは近隣に送配電線・変電所がある場所には設置しないことになっており、また、電磁波は距離をおくだけ大きく減衰するので、線源なしにポストの数値が大きく上下することは考えられない、と言う。
 電気ノイズの影響が考えられるのは電離箱検出器の場合だが、もし落雷や上空からの放電現象の影響があるのであれば、ポストの数からして県外で頻発することになり、規制庁でも考慮に入れていない。
 ポストの数から否定されるのは地殻ガンマ線による影響も同様。
 シンチレーション式は放射光を受光するレンズが結露で膨張すると数値が上がる傾向があるので、この夏に防水パッキンを強化。但し、結露で数値が上がるのは数割程度とのこと。
 規制庁が言い出した温度の影響について執拗に質すと、ないとは言えないだろう、のレベル。設置台数が最も多い富士電機のリアルタイム線量測定システムは筐体が強化プラスチックで、金属のように内部が高温にはならない。
 また、半導体機器なのでデータ エラーが出る可能性もあるが、確認の取れないNECを除けば、これらの異常値のことでそれと確認できたことはないと言う。
 メーカーの技術部署と話し込むと、頻発する異常値の原因は機器の不具合ではない、明らかに放射線を拾っている、と言う。
 規制庁も原子力安全・保安院時代にメーカーごとに性能検査を何度もやっている。ポストの発注では、最低99 μSv/h までの性能をメーカーに保証させている。
 そして、規制庁 監視情報課は、異常値を示すポストは県内の8割以上を占める富士電機のリアルタイム線量測定システムに限ったことではなく、特定のメーカー・機種でこの現象が起きているのではないことを認めている。こちらが問う前に調べ上げており、彼らもこの異常値に強い関心を払っていることが分かる。




<< 規制庁はイカサマが仕事と言うべき >>

 原子力規制庁では実に都合よく「異常値」を使う。通常20 μSv/h 前後の大熊町で瞬間的に数μSv/h 上昇しても問題としない。足元の土壌の舞い上がりでそれぐらいになるから、と言う。
 平時0.1μSv/h 程度の地域で0.5 μSv/h に上がっても異常とはしない。今度は絶対値が低いから。特に雨や雪があると、大気中の放射性のダストを吸収してポストを包むので、それぐらいにはなる、と言う。全国の数値が数倍になったのを見たことがないが。しかし、その際、折れ線グラフがスパイク状に上昇・下降する理由について質すと、答えられない。
 そして、その数値が更に大きくなると初めて規制庁は異常値だとして問題視する。
 ところが、それ以下の数値でも、そこの経済活動に影響するとなると、いい言い訳をこしらえて異常値ではない、とする。例えば、9/10 いわき市の常磐病院内保育所で通常0.1 μSv/h 程度なのが急に0.9 μSv/h まで9倍も上がったが、監視情報課は「緊急搬送されるような作業員に核種が付着していたのではないか」と全くの想像話を並べて、保育所には「機器の不具合によるもの」と伝えた。影響を考えて“相場”を変えた。
 そして、最近では、数値が急上昇し始めると、WEBサイトへのデータの出力を遮断する、という工作をやる。数値が下がると公表を再開する。数値が下がるまでの間、公表データがない(= 欠測)。この常磐病院内保育所では、2015/ 1/19 に0.22 μSv/h、4/15 には1.8 μSv/h まで急に上がったところでブツンとデータが消えていて、実際、どこまで数値が上がったか知れない。
 第一、密閉されたポストの数値を1μSv/h 近くまで上げる放射性のダストの様態を想像してみれば、そんな衣服の作業員が病院や保育所に出入りしていること自体が問題だ。
 データの出力を遮断すること、当初 規制庁の監視情報課では手動でやっていることを認めたので(福島県 災害対策本部 放射線監視室でも同様のことをやっていることを認めた)、誰の指示でやっているのかを質してもノラリクラリ。彼らは複数人で24時間 全国のモニタリングをやっており、組織的な犯行以外の何なのか?
 そして、2015 年になると、少し急上昇したところでデータが消えることが目立つようになった。更に、こちらが各新聞・テレビにこの監視情報課のイカサマぶりやインチキの手口を伝えると、4月半ばからは、大きな急上昇が消えてデータの欠測が目立つようになったが、監視情報課ではメーカー側のサーバーからデータが届いて自身のWEBサイトに出力されるまでの間などで“検閲”をやっているのではないか? 出力されるまでにはかなりのタイム ラグがある。

 そもそも、数値にはカラクリがある。富士電機だと、全国のポストから刻々データを受け取って、30秒または1分平均の μSv/h に換算した数値をサーバーから規制庁に送信し、規制庁ではこれを10分平均の数値にデータ処理して公開、ということをやっている。
 つまり、公開されているデータに空間線量率10 μSv/h とあっても、瞬間的には 1,000 μSv/h 以上を記録している可能性もある。相応のα線・β線核種を含んでおり、吸い込んだらそれこそ後日の憂い。
 だから、もっと低い瞬間的な上昇・下降は10分平均にする過程でスパイクが消されている(規制庁のサイトはどこを見ても、今現在 全国のどこで異常値が起きているかが分からない。1週間分の空間線量の折れ線グラフも1メモリを6時間の平均値にしているという情報隠しで、あとで見ても異常値の有無さえ分からない:広野町役場の例)。

 また、ポストは、最も多い富士電機のリアルタイム線量測定システムだとセンサー部分が密閉された筐体内部の地上1mに配置されており、筐体の外表面とは10~25cm(最近の仕様では中心部に配置)の距離がある。線源が放射性のダスト群のように四方・上部をそれなりの厚さで囲むように存在するのではなくて、固形の高濃度のガレキのように一方向にある場合、数値は実際のガレキの表面線量よりも大きく下がったものになる(電磁波であるガンマ線の強さは距離の二乗に反比例)。ポストの測定は点線源の汚染ガレキが付着するケースを想定していない。
 その上、センサー部分の周辺には金属のパーツがあるし、上部には太陽光パネルや液晶パネルがあってガンマ線を遮蔽しているが、数値補正をするわけではない。
 更に、固定型や可搬型モニタリング ポストの場合は金属の筐体や電源の機材のほか周囲を囲む鉄柵も大きく遮蔽効果になっている。
 0.01 μSv/h を云々するにはまことにお粗末。

 また、α線については、この浜通りを北から南までα線専用測定機で測ると、野外の鉄板などの表面は3分計測でどこでも数十 cpm あって、85 cpm のポイントもあり、これは原子力規制庁も「警戒区域のレベルですね」と認める通りで、これだけでこんなところに暮らせたものではない。鉄板を裏返すと、その表面は全く反応しないので、線源が原発事故由来であることは明白。

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<< 空間線量の異常値の正体 >>

 放射性のダストは均等に存在するのではない。
 放射性核種は、風雨でそちこちで吹き溜まりになっていて、2014/3 頃、富岡町 夜ノ森地区の国道6号線の検問のところでは、地上1mで2μSv/h 程だが、その路肩の地表では50 μSv/h を超えた。この土ぼこりや葉っぱを箒でかき集めれば、表面線量は桁が上がるわけで、これが風で舞い上がってポストに付着などしたらどうなるか? 放射性のダストは至るところに吹き溜まりなっており、放射性ダストの浮遊が異常値の主因であることは何も不思議なことではない。季節を問わず、スギ花粉と同じように飛んでいる。

 また、セシウムは藻やコケを媒体にして大きく濃縮が進む。これが“黒い物質”。原発事故の翌年、うちの広野町(福一原発から南に20km強)で最初の除染後の公共施設や道ばたで目に付いたものからそそくさと12サンプルを採取して明星大学で乾燥してもらいながらゲルマニウム半導体検出器で測ると、最高84.1 万 Bq/kg。地表 約1cm採取なので、原子力安全・保安院の換算では 1,000 万 Bq/m² になる。SFの世界だ。他方、もの陰のサンプルは数万 Bq/kg 程度。
 “黒い物質”も乾燥すると、或いは、胞子として、浮遊して拡散し、湿地などでまた濃縮し、これを繰り返している。


 “黒い物質”。2012/ 5/11、福一原発から約50 km 離れた いわき市中央台の新興住宅街の路肩で。色の割には表面線量は1μSv/h 未満。その後 一帯は除染されたが、至るところに見られた。
 特に福一原発から北西方向の山野にはとてつもない量の核種が降り積もっており、冬場から春先には北風・西風の強いおろしが浜通りに吹き下ろす。この時期、原子力規制庁の監視情報課が管理する大熊町 大野のダスト サンプリングでは、昨年は冬場には1ヵ月でセシウムだけで万 Bq/m²、2015 年も2月に 8,700 Bq/m² (都心は5 Bq/m² 前後)。戦後、癌死率が3倍以上になったことと無関係ではないと指摘される大気圏核実験での降下量(セシウム 137)は50年間の合計で約 7,600 Bq/m²(1ヵ月の最大は 1963 年の約 550 Bq/m²)。上の「空間線量の異常値マップ」で、福一原発から南の方に特に異常値が目立つのはこの季節風と無関係とは思われない。

 空間線量率が異常値を示した際、その原因の多くは至るところに吹き溜まりとなっている高線量のダストの舞い上がり・浮遊であることは疑いない。季節を問わず、スギ花粉と同じように飛んでいる。
 勿論、福一原発に繋がる国道6号線の路肩の汚染具合を見れば、たくさんの車両が運び屋になっている現実もあるだろうし、ポストの台数が多いだけ機器の故障のケースもあるだろう。X線を使った非破壊検査のノイズによる影響だった事例とするのは一件しか確認できない。

 こういう理屈になる。一般に、放射性のダスト群がポストを覆って通り過ぎれば、数値は大きく上がる。もっと高濃度のダスト群なら、更に上がる。これがポストに振れずにそばを通り過ぎたのであれば数値はそれほどでもないが、濃度的・量的に大きければ、数値は違ってくる。そして、ポストを覆って通り過ぎる場合にはダストがポストに付着するので数値は直ぐには元のレベルにならないだろうし、ポストに振れずにガンマ線だけの作用であれば数値はすぐに戻って折れ線グラフはスパイクを描くだろう。スポットからの放射性のダスト群の舞い上がりとたまたまその辺りにポストがある確率、そして、ガンマ線の飛程が60mや 100 mに達することからすれば、ダスト群はポストに接触するよりもそばを通り過ぎるケースの方が遥かに多くなり、グラフは短い時間のスパイクを描く場合が多くなる。
 以上のようなやり取りを重ねて、監視情報課は3ヵ月してやっと高線量のダストの舞い上がりが空間線量の異常値の主たる原因であることを認めた。

 重要なこと。空間線量の異常値は10 μSv/h のレベルはしょっちゅうあり、50 μSv/h を超えることもあり、更に頻度は下がるが 100 μSv/h を超えることもあるし、500 μSv/h や1mSv を超えたケースも何度かある。この異常値の数値のレベルとそれぞれの頻度はキレイに反比例して、相関関係が成立する。直線を描く。南東北~関東の一帯が汚染された環境下なら自然現象が介在していることが分かるわけで、一番には風の作用だろう。
 そこで、いわき市なら日々0.05 μSv/h ぐらいの幅で空間線量率が上下していて、放射性のダストの浮遊は監視情報課も認める通りだが(茨城県でも南に下がると安定)、彼らは時折の小さいスパイクは日常の変動の内とするのに、大きいスパイクが出ると「これは何かの間違いだ」「機器の不具合」とする、これのどこが科学的なのか? なぜそういう判断になるのか、と質しても、モゴモゴ。
 彼らは、吸引被曝という現実を認めれば大問題になることを何よりも避けたいのだ。実に話を逸らす術に長けている。
 また、実際に機器が故障しているのかどうかを確認したこともないと言う。

 以上から、町なかに10m間隔でダスト サンプリング モニターを敷き詰めて、10秒平均で数値を出したら、毎日そこら中で異常値が続発する筈で、監視情報課も否定をしない。しかし、何もしようとしない。
 福島になど居られたものではないことはハッキリしている。現在、ポストは間隔が近くても数百mのザル状態で、局所的に舞い上がった高線量のダスト群が引っ掛かる確率は非常に低い。そして、ポストの数を増やすに従ってこの現象が目立ってきている。

 以上は誰でも想像がつくことなのに、我々は安全対策もないまま4年も無為に過ごしてしまった。


 茨城県各地の一日の空間線量。
 福島に接している北茨城市の野外設置のポストだけ数値が上下に大きく振れている。時々 大陸からの放射性のダストを被っている他の道府県と違って、24時間 放射性のダストが浮遊している。この振幅は、いわき市、広野町、と福一原発に近づくほど大きい。



<< 吸引被曝への対策を急げ! >>

 しかし、異常値の原因を証明するのは難しい。多くは、線源はポストを離れており、肉眼で分かるガレキなどでない限りは周辺でダストを回収することは困難。それなりの頻度で回収できない限りは異常値との因果関係は言えないだろう。
 しかし、東京理科大学の中井 泉 教授らが原発事故直後に 130 km 離れたつくば市の気象研究所で採取された大気の粉塵を大型の放射光施設 SPring-8 で分析すると、燃料のウランの他、燃料被覆管の素材のジルコニウム+錫などの合金や圧力容器の鉄が混ざってホット パーティクル(セシウム ボールなどという言い方も)として確認されている。http://nucleus.asablo.jp/blog/2014/08/10/ これらは近距離であるだけ拡散せずにスポットとなっている可能性が高い。
 県内の何ヵ所かで汚染されていない 100 m四方を50cmメッシュで核種をサンプリングして、核種ごとの偏りを調べるような調査なしには土壌汚染の実態は分からない。
 しかし、文科省は、土壌調査のポイントを拡げれば拡げるだけ核種ごとに数値がうなぎ登りになるので、プルトニウムなら 2011 年の県内 100 ヵ所のサンプル採取で調査をやめている。
 小児甲状腺癌と原発事故との因果関係のことと同じく、蓋然性が高いのであれば、国は原因の立証を待つのではなくて、住民の避難を進めるべきだ。

 3/21 の放出によるものの多くは水溶性であることが分かっており、体内に入ると血液に混じって何割かは排便で体の外へ出るが、3/15 の放出で南に流れたものはほぼ非水溶性で、強酸に漬けたまま加熱しても殆ど溶けず、肺に入れば、0.1μ以下の微少なものでない限りはそのままになる。
 市民と科学者の内部被曝問題研究会によれば、県内の大気中のダストは直径10~20μあり、プルトニウムが0.1%も含まれていれば、一粒でも吸い込んだら、発癌は必至。そういう怖さにある。

 原発事故の当時、日本側から対処を求められて連日 電話会談をやっていたNRC[米・原子力規制委員会]は3・4号機の間に非常に高線量の物質があり、敷地の外1マイルまでに燃料棒が多数 飛散していると報告している(2011/ 3/26、NRCからのダウンロード データ)。
 福一原発から南1kmのヒラメ養殖場の辺りでは、その調査に出た東電の作業員のグルーブが 300 mSv/h を記録して退散している。その際、線源は未確認。
 そもそも、3号機のあの真っ黒い噴煙を噴き上げた爆発とそれが南寄りに流れる福島中央テレビの映像を観ていながら、風が真南になったその夜や翌日には更に大きな放出量があったのを知りながら、なぜ、誰も、最も怖いプルトニウム・ウラン・アメリシウムなどのスポットの存在を考えようとしないのか?!


<< 異常事態ぞくぞく >>

 昨年の夏、楢葉町の井出川の河口(福一原発から南に十数km)では表面線量でβ線が 35,600 μSv/h、γ線が 400 μSv/h の最長 数cmの破片が見つかった。しかし、これでも、1m離れればγ線の数値はバックグラウンドの中に消えてしまう。こんな高線量のガレキがあっても、周辺の空間線量には影響しない。
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2014/images/handouts_140212_04-j.pdf

 2013/ 8/19、3号機のオペレーション フロアのガレキ撤去作業で粉塵が北北西20km以上に達して、後で南相馬市の水田で 100 Bq/kg 超えの稲穂が多数見付かったと問題になった。東電は、現場作業員などの衣服の汚染で異常に気付きながら、地元には何も知らせず、翌年7月になって最大4兆 Bq が飛散したと発表した。原子炉建屋から北1kmのモニタリング ポスト(全て地上に設置していて意味がない)では0.1μSv/h 上昇しただけだった、と。
 福島県の災害対策本部 放射線監視室も原子力規制庁の監視情報課もそれぞれ環境放射線のモニタリングをやっていながら、何の対応も執らなかった。

 2014/ 3/12 ~3/20 頃、浜通りから更に広域で空間線量が大きく上がって騒動になった。楢葉町の知人が調べに出ると、先にも書いた富岡町 夜ノ森の国道6号線の検問のところで地上1mで通常2μSv/h なのが、車内で4.5μSv/h ほど。検問の内部に入った人が人がいて、7μSv/h を記録。こちらが 3/11 に富岡町に行った時、中心街は1.5μSv/h 前後だったが、3μSv/h はあった、とのこと。
 福一原発から6・7kmの距離でこの数字で、これは前年の3号機ガレキ撤去による飛散量どころではない。
 ところが、遅れて気付いて調べると、この間、原子力規制庁の監視情報課はモニタリング ポストには特に異常な数字はないと言い、福島県の放射線監視室ではこの間は1週間以上もデータの更新中でデータがないと言う。
 毎回、放射性のダストが飛散しても、異常値が発生しても、(1)国も県も東電もモニタリングが出来ていないか、数字を隠す、(2)地元には知らせない、必要な対応を執らない。

 福一原発から南に20km少々のうちの広野町には住民が 2,000 人近く、子供も 500 人以上が戻っているが、町行政は何の被曝対策も執ろうとしない。町長の遠藤 智(もと東電工業社員)が先頭に立って住民の帰還促進の旗振りをやっており、教育委員会には何度 言っても児童・園児にマスクをさせようとしない。我々の被曝は吸引被曝だけでも、無意味なシルト フェンスを垂らすだけで福島第一原発からダダ漏れ の汚染水が沿岸を南に流れる太平洋の沿岸 複合
 福島県の東半分には一刻も早く疎開をさせるべきだ。

以上転載おわり

この福島の現状を信じない限り、貴方たちの未来はない!


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