子供たちが危ない!この福島の惨状を見よ!
放射能から子供を守る企業と市民のネットワークより転載
「20ミリシーベルト以下は安全」という「国家による殺人」1990年代に、チェルノブイリ医療支援で何度もベラルーシに薬や医療機器を届けに行きました。甲状腺がんの手術をした子どもたちは、一生、ホルモン剤を飲まなければなりませんが、そのホルモン剤さえ不足しているということで、度々ホルモン剤やビタミン剤を届けに行きました。そして、甲状腺がんや心臓病をはじめとする様々な病気をかかえる子どもたちに会いました。
(白血病の子ども) (甲状腺がんの手術を受けた子どもたち)
ベラルーシで出会ったナターシャさんは、2人の子どもをガンで亡くしました。息子さんは9歳で被ばくし、甲状腺がんが肺に転移して21歳で亡くなりました。娘さんも胃ガンが全身に転移して亡くなっています。ウクライナでは、チェルノブイリ原発から600km離れた地域の子どもが4歳で被ばくし、13歳で甲状腺がんになり、4度の手術を行いましたが、他の臓器へ転移して31歳で亡くなっています。この地域は、年間1ミリシーベルト程度の放射能汚染地でした。
ベラルーシ国立甲状腺がんセンターの統計によれば、15歳未満の67.5%はリンパ節転移があり、16.5%は肺に転移しています。日本では、福島県立医大で手術した子どもの74%にリンパ節転移があり、2人が肺に転移していました。
報告書は、県民健康管理調査で子供の甲状腺検査以外に内部被ばく検査をしていない点を問題視。白血病などの発症も想定して尿検査や血液検査を実施するよう求めた。甲状腺検査についても、画像データやリポートを保護者に渡さず、煩雑な情報開示請求を要求している現状を改めるよう求めている。また、一般住民の被ばく基準について、現在の法令が定める年間1ミリシーベルトの限度を守り、それ以上の被ばくをする可能性がある地域では住民の健康調査をするよう政府に要求。国が年間20ミリシーベルトを避難基準としている点に触れ、「人権に基づき1ミリシーベルト以下に抑えるべきだ」と指摘した。
うした重要な指摘に日本政府は、ほとんど応えていません。そして、この人命を左右する重大なことが一部のメディアでしか報道されず、国民の大半は知らないままです。
年1~5ミリシーベルトの「低線量汚染地域」に住み続けたチェルノブイリの人々の多くは、甲状腺などの内分泌系の病気や糖尿病、脳血管疾患、膠原病(リウマチなど)様々な病気になっており、特に心臓病で亡くなる人が激増しています。(ウクライナ政府報告書)
福島でもチェルノブイリで増えた心臓病などの死亡率が急増しています。
慢性リウマチ性心疾患の死亡率は、原発事故前から全国平均の1.78~1.79倍で3年間、変化がなかったのが、原発事故後、 1.79→2.30→2.53倍と格差が大きくなっています。
下のグラフは、福島県の心臓病の死亡率と全国平均を比較したものです。
左から「全国平均」「心疾患全体」「慢性リウマチ性心疾患」「急性心筋梗塞」による死亡率の増加を示しています。
福島県の急性心筋梗塞による死者は、原発事故前は2009年「1355人」、2010年「1372人」(+17人)とあまり変化していませんが、原発事故の2011年は1500人(2010年+128人)2012年は1591人(+219人)と急増しています。
死亡数の増加だけでなく、その前段の治療数や手術数が増えてきています。
甲状腺がんが増えているのは、子どもだけでなく大人も増えています。
◆福島県の主要病院における「甲状腺がんの手術数」
このように全国の甲状腺がん手術数が増えていますが、福島県の増え方は、全国平均を大幅に上回っています。
◆「福島県立医大で治療数・手術数が増えている病気」(グラフ)
原発事故前と後で、2倍以上に増えている 病気(手術数)から抜粋。
※倍率は、2010年(H22年)と2012年(H24年)の比較
<福島県立医大での治療数と増加倍率>
*白内障、水晶体の疾患 (150→344→340)2.3倍
*前立腺の悪性腫瘍(77→156→231)3倍
*弁膜症(35→54→103)2.9倍 ※心臓弁膜症
*静脈・リンパ管疾患(11→43→55)5倍
*小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍(13→36→52)4倍
*胆のう、肝外胆管の悪性腫瘍 (32→94→115)3.6倍
*骨軟部の悪性腫瘍(脊髄を除く)(13→41→77)5.9倍
*扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎(11→11→52)4.7倍
福島・太田総合病院付属西ノ内病院(59→81→189)3.2倍 全国3位
福島・白河厚生総合病院 (28→48→155)5.5倍 全国8位
福島・大原綜合病院 (29→43→138)4.8倍 全国14位
★扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎は栃木県でも急増しています。
(倍率は、2010年と2012年の比較)
栃木県・獨協医大(10→22→75)7.5倍
栃木県・済生会宇都宮病院(10→12→81)8.1倍
栃木県・栃木医療センター(14→84→132)9.4倍
日本赤十字社は、原子力災害時の医療救護の活動指針として、「累積被ばく線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、退避する」としています。
「
日本政府は、原発事故のあと「年20ミリシーベルト以下は健康影響なし」と言い続けています。
20ミリシーベルトどころか、その4分の1(5ミリシーベルト)以下の汚染地に住み続けた人びとの健康被害を取材したNHKの重要な報道番組があります。 ◆チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告 第2回 ウクライナは訴える (2012年9月23日 NHK ETV特集)から抜粋・要約 チェ ルノブイリ原発事故の25年後に公表された「ウクライナ政府報告書 ー 未来のための安全」は、年間0.5~5ミリシーベルトの汚染地帯に住む人々に深刻な健康被害が生じていることを明らかにしました。(低線量汚染地の住民には)心臓疾患やリウマチ性疾患など、さまざまな病気が多発し、特に心筋梗塞や狭心症など心臓や血管の病気が増加しています。ウクライナ政府報告書は、汚染地帯の住民など被曝した人から生まれた32万人を調べ、健康状態を報告しています。1992年の時点で、健康な子どもは22%に減っていました。ところが2008年、それが6%に減少しました。逆に慢性疾患を持つ子どもは20%から78%に増加しました。
<チェ ルノブイリ原発から140キロの距離にあるジトーミル州のコロステン市は移住勧告地域と放射線管理地域が混在する低線量汚染地域で、年間 0.5~5ミリシーベルトの被曝線量が見込まれる地域である。コロステン中央病院の副院長アレクセイ・ザイエツ医師 「残念なことに、日本でも1年前に原発事故が起きました。多くの点が、私たちの悲劇的な事故と共通していると思います。今の日本の状況は、私たちの事故と同じであり、私たちに起きたことが福島でも起きているのです。 」
内分泌科医のガリーナ・イワーノブナさん「事故当時18歳以下の子どもたちを3か月ごとに検査をしています。彼らの多くは甲状腺疾患を患っており、自己免疫性甲状腺炎や、びまん性甲状腺腫の人もいます。事故当時、少年だった彼らは、いまや大人となり、自分たちの子どもをもうけています。その生まれた子どもたちにも、多くの甲状腺疾患が見られるのです。」
リウマチ疾患が専門ガリーナ・ミハイロブナ医師 「チェルノブイリ事故前はリウマチ患者は6人だったのに、2004年には22人、2010年には42人、2011年は45人でした。こういった症状は、チェルノブイリ事故当日、若年層だった人たちに見られます」
ウラジーミル・レオニードビッチ医師 「リンパ腫と白血病という血液の病気も増えています。事故前の6年で、血液の病気は26症例(年平均4.3例)が記録されていますが、事故後は25年間で255症例(年平均10.2例)となっています。」
政府統計データでも福島県は心臓病などの死亡率が高くなっており、「ウクライナ政府報告書」や「チェルノブイリ法」の内容を知りながら、「20ミリ以下に住民を戻す政策」を進める現政権のやり方は、「人権軽視」「人命軽視」というレベルを超えた「国家による殺人」と言っても過言ではないと思います。
◆南相馬の地点解除訴訟「20ミリ基準撤回訴訟」を応援する署名
まだの方は、ぜひ署名をお願いします。
放射能から子どもを守る企業と市民のネットワーク
(ほうきネット)代表 中村隆市
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