暴走する福島第一原発!
人間に牙をむいた放射能は、「死の灰」だ!
建物から勢いよく噴き上げる灰色の噴煙!
福島第一原子力発電所で1号機に続き、3号機でも水素爆発が起こりました!
4号機の燃料棒の取り出しが失敗したら、日本は、おしまいです!
放射能による被害の大きさは、原子炉の電気出力に比例します!
旧ソ連のチェルノブイリ原発は100万キロワットでした。
福島第一原発1号機の46万キロワットと、3号機の78・4万キロワットですから合わせるとチェルノブイリ以上の規模になります!
チェルノブイリ原発事故を日本に当てはめますと、法令で放射線管理区域にあたる1平方キロあたり1キュリー以上の汚染を受けた土地は原発から700キロ先まで広がりましたから、これは、東京をはじめ、名古屋、大阪まで入るほどの広さに匹敵します。
福島第一原発で、110万キロワットレベルの原子炉が、爆発した場合を想定してシミュレーションしたところ、原発から10キロ圏内の急性死亡率は99%を超えます!
南西方向に風速4メートルの風が吹いていた場合、ある程度の時間がたって発症する放射能の「晩発性影響」によるがん死者は、東京でも200万人を超えます!
そのため本州は関東まで居住が不可能になってしまいます!
さらに、放射線の強さが半減するまでの時間を意味する「半減期」が30年の「セシウム137」などの放射性物質が大量に放出され、飛散する範囲は半径320キロにも及んでしまいます!
北は、岩手から南は神奈川、山梨まで、本州の関東以北は事故後、数十年にわたって土壌が放射能に汚染され、人間が住むことができなくなってしまう地域が多発します!
通常であれば、原子炉圧力容器をおさめた格納容器のなかは、窒素で満たされており、決して爆発を起こさないようになっていますが、爆発してしまいました!
炉心溶融によって発生した水素や酸素が逃し弁から格納容器内に放出され、格納容器内の冷却用プールの水も炉心の温度が高くなりすぎたために水蒸気となった。
その結果、最大4気圧程度までしか想定されていなかった格納容器内が8気圧まで上昇した。
しかし、格納容器が爆発してしまっては、もろに放射性物質が飛び出すことになるので、ベントという弁を開けて格納容器内の圧を下げることにしたのです。
ところが、放出された水素が建屋の上部にたまり、爆発したというが、考えられない!
何等かの特別な要因が働いて、あのような水素爆発が起こったとしか考えられません!
爆発の結果、福島第一原発から100キロ以上離れた女川原発(宮城)の敷地内でも一時、放射線量が通常の4倍以上の数値を記録しました。
格納容器の弁の先には、放射性物質を捕まえるフィルターがついています。
フィルターは完全な気体である「クリプトン」や「キセノン」などの希ガス
は捕まえられないため、弁を開けた時点で、ある程度の放射性物質は外に出る
ことになるのですが、今回はそのフィルターが多量の水分で目詰まりを起こし
て、吹き飛んでしまった可能性が考えられます。
そのため、ヨウ素など本来なら外に出るはずのない放射性物質も飛び出してしまったのでしょう。
原発、周辺で被曝した人たちのなかには、体や衣服に付着した放射性物質を落とす「除染」を受けた人もいましたが、この時すでに放射性物質は体内にも入っていると考えるべきでしょう。
1号機はウラン燃料、3号機はMOX燃料を使っています。
MOX燃料とは、ウランの酸化物とプルトニウムの酸化物を混合したもので、プルトニウムの生物毒性はウランの20万倍とも言われます。
実際に爆発した場合の毒性は、単純に20万倍というわけではありませんが、ウランだけの燃料に比べ毒性が高まるのは間違いありません。
また、プルトニウムは本来、高速増殖炉で使用すべきものであり、福島第一原発にある沸騰水型炉で使用すべき燃料ではありません!
これは、家庭用の石油ストーブにガソリンを混ぜた灯油を入れているようなものですから、平常時であっても、軽水炉でMOX燃料を使用するということ自体が、きわめて危険なことなのです!
日本の原発がMOX燃料を使用しているのは、日本が世界有数のプルトニウム保有国だからなのです。
第2次世界大戦中に長崎に投下された原爆はプルトニウム爆弾ですが、現在、日本はプルトニウム原爆を4千個も作れるほどのプルトニウムを保有しているのです。
そのため、世界中から早急にプルトニウムを消費することを求められていました!
しかし、国内にある高速増殖炉「もんじゅ」は、1995年に起きたナトリウム漏れ事故などで操業停止になっているため国から泣きつかれた東京電力など電力各社は、軽水炉でMOX燃料を使うことにしたというわけなのです。
1号機と3号機はとりあえず、危機を脱したのか?
冷却水の水位が下がったことで、炉心が露出してしまい、炉心溶融が起きてしまい地震や津波などの非常事態に備えてあったはずの非常用電源も電源車も、何の役にも立たなかったことが、ハッキリしました。
原子炉爆発すれば十数時間で放射能は首都圏へ到達してしまいます。
「死の灰」と呼ばれる放射能の健康被害は、未曽有鵜の計り知れない被害を関東圏の国民に与えてしまいます!
放射性物質は、全体的に一定の速度で広がるのではなく、風向きによって扇状に飛散していきますので、厄介なのです。
ホットスポットと言って、雨雲などに乗って、飛び地で雨と一緒に黒い雨として降ることもあります!
被曝した時の症状は大きく分けて二つある。
(1)急性障害 100〜250ミリシーベルト超の被曝をすると、直後から
数カ月以内に、めまいや嘔吐、脱毛などの症状が現れてしまう。
重篤な場合は、内臓が機能障害を起こしたり、皮膚がただれて全身ヤケ
ドのような症状を起こし死にいたる。
(2)晩発性障害 数年〜数十年後にがんや白血病などを発症します。
一般人の年間被曝線量の限度である1ミリシーベルトでは、がん罹患率
は、1万人中500〜1千人と言われる。それが、
2ミリシーベルトになると、がん罹患率も比例して2倍になる。
このほか、被曝すると、免疫機能が下がるため、他の病気を引き起こす可能性も高くなるほか、遺伝子に傷がつき子孫への影響も懸念される。
万が一、放射性物質が飛散してきたら、どう対応したらいいのかというと、とにかく、放射性物質にふれないことが重要です!
原子力安全・保安院などは、こう注意を促している。
(1)屋内退避。換気扇や冷暖房を止め、窓を閉めて、外気が室内に入らない
ようにする。特に、雨は大気中の放射性物質を地上に降らせるため、雨に
当たらないようにすること。
(2)外出する場合は、長袖、長ズボン、ゴーグル、フード付きのコートなど
を着て、外気に触れないようにする。防塵用のマスクや、濡らしたタオルで口や鼻を覆うこと。室内に入る前に、コートなどは袋に入れて密閉し、室内に放射性物質を持ち込まないようにすること。
(3)万が一、肌に付着したら、洗い流す。
(4)ヨウ素剤を服用する。
しかし、これらのことをしたとしても、被曝しないかといえば、そうではありません!
大気中に放射性物質が蔓延していますので、ドアを開閉しても室内に入って来ますし、スーパーなどの商品に放射性物質が付着しています。
物理的に考えて、完全に被曝を防ぐことはできません!
福島第一原発の爆発で避難した人のうち、40歳未満全員が甲状腺がんを防ぐ「ヨウ化カリウム」を服用しました。
事前に放射性のないヨウ素剤を服用することで、放射性ヨウ素を吸い込んでも甲状腺が飽和されているため、甲状腺がんの予防になりました。
甲状腺が活発な若い人は飲んだほうがいいが、放射能は何十種類もあるので、ヨウ素剤では、ヨウ素以外の放射能は防げません!
さらに注意しないといけないのは、身近に放射能が飛散しなくても、被曝した地域の農産物や畜産物などを口にしたら、そこから体内被曝をすることもあるし、水源地が被曝していれば水道から被曝してしまう。
放射能が飛散すればするほど、被曝を防ぐことは難しい。
確実なのは、爆発してから身近に放射性物質が到達するまでに避難することです。
例えば、東京なら、単純に、福島─東京間約200キロを風速で計算して、時間を測ります。
もし、南西方面に風速4メートルであれば、わずか約14時間で福島第一原発から放射性物質が飛来してしまいます!
仮に逃げのびたとしても、汚染の程度によっては、東京に戻れるかわかりません!