政府は27日、新たな防衛計画の大綱の骨子をまとめた。基本方針として安倍晋三政権が掲げる「積極的平和主義」を前面に打ち出し「世界の平和と安定、繁栄の確保に積極的に寄与」することを明記した。
装備品などの整備目標を示す「別表」は検討中としたが、政府は戦車や大砲の定数を現大綱の400から300に減らす一方、護衛艦を増やすなど、南西諸島への機動展開力に軸足を移した態勢に改める方針を決定!
政府は同日、官邸で開かれた有識者会議「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・北岡伸一国際大学長)などに骨子を提示した。
与党と調整した上で、12月に新大綱を閣議決定するという。
骨子は「専守防衛に徹し、軍事大国にならない」とし、平和主義を堅持しつつ、必要な防衛力を整備していく方針を明記。文民統制(シビリアンコントロール)の確保や非核三原則の維持も盛り込んだ内容となる。
北朝鮮の弾道ミサイルへの対応で検討している敵基地攻撃能力の保有については「ミサイル対処能力の総合的な向上」との表現にとどめたが、すでにイージス艦による北朝鮮包囲網が構築されている。
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離島防衛では、民間船舶活用など海上輸送力を強化し「島嶼(とうしょ)に速やかに上陸・確保できる態勢」を整備するとした。水陸両用部隊の創設などが念頭にあるが、裏を返せば先制攻撃部隊創設でもある。
政府は、武器輸出三原則の見直し方針も盛り込む方向で調整しているが、これは国民騙しの法案となろう。
現に、イラクや、世界の紛争地で使用されている劣化ウラン弾などは岩国で製造している。
北岡氏は懇談会後に記者会見し、「わが国の防衛や地域の安定のため一定の輸出を認めるほうが効果がある。三原則を全く取り払うわけではなく、抑制的な態度を続ける」と述べたが、詭弁も甚だしい!
安倍晋三首相が第1次政権時代に取り組み、挫折した「国家安全保障会議(日本版NSC)」の創設が27日、決まったが、これは日本の欧米化の一環である!
7年越しの宿願達成だが、日本を取り巻く安全保障環境が刻々と変化する中、外交・安全保障政策の司令塔はどう機能するのかは、アメリカとその支配者次第である!
中国が防空識別圏を設定した23日以降、一部の航空会社は中国側に飛行計画を提出したりしたが、中国が「武力による威嚇」をちらつかせる中、安全な運航を優先するためである。
しかし、この行為は中国の不当な主張に従ったとしか思われない!
当初は政府から計画提出「禁止」の明確な指示もなく、国土交通省が業界団体を通じて提出しないよう各社に要請したのは26日だった為に、業界のお粗末さが露呈した格好となってしまった!
NSCは「省庁縦割り」の仕組みを改め、情報を一元化して対処するのが最大の目的であり、今回のケースでは、まず中国の動向に関する1次情報が事務局の国家安全保障局に集約され、「中国・北朝鮮」部門を中心に米国のNSCなどと連携、軍事的な知見を加味して分析される。
その上で防空識別圏設定を想定し、首相、官房長官、外相、防衛相の「4大臣会合」を機動的に運営することになるが、果たして俄か作りの体制が戦時にスムーズに機能するかが問題である。
NSCには4大臣会合だけでなく、関係閣僚による「緊急事態大臣会合」も新設され、防空識別圏設定に対し、国交相が加わった同会合を即座に開き、航空会社への要請や航空自衛隊の対領空侵犯措置、中国政府への抗議など、政府の統一した対処策を決めていれば、混乱は防げただろうが果たして・・・・!真に機能するには情報収集・分析・対処といった経験の積み重ねが必要となる。