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2025年米軍の沖縄からの撤退にあわせて中国は尖閣、台湾に100%侵攻する!!

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2025年米軍の沖縄からの撤退にあわせて中国は尖閣、台湾に100%侵攻する!!

中国が本格的に検討し始めた尖閣、台湾侵攻シナリオ 日中台の軍事力バランスから見た具体的な作戦とは 矢野 義昭   PLAの「J-10」戦闘機(2020年12月30日撮影、China Militaryより)  

 米国防総省の『PRC(中華人民共和国)を含む軍事力と安全保障の発展』に関する米議会への2020年の報告によれば、米軍はPLA(人民解放軍)の将来について、以下のように分析している。

 

「PLAは、長期的な世界の軍事的な潮流に、現在のドクトリン、概念、戦役(campaign)を適応させて中国の国益の拡大に対応させ、PLAの重大な構造と能力の変化について説明することを必要とするようになるだろう」

 ここで言う「戦役」概念とは、PLAが中国の戦略的な目標を達成するために、いまPLAが開発している概念である。戦役では、国境防衛から大規模な多国間の戦争までの行動が組み込まれている。

 PLAの統合作戦は、「戦区部隊司令部のような統合司令部指揮下の2軍種かそれ以上の複数の軍種にわたる作戦であり、統合火力打撃、島嶼封鎖、島嶼侵攻作戦などの攻勢作戦、あるいは防空、国境防衛、対上陸作戦などの防勢作戦を含む」とされているPLAの新たな戦役概念では、PLAの戦力投射と防衛能力は中国本土からはるかに遠方にまで拡大され、その能力は宇宙・サイバー・電磁波戦などの新空間にも及び、それらの戦力は統合一体化される。

 戦役概念は新領域を含む宇宙での対決まで含む、マルチドメイン作戦の概念と類似していると言える。

 戦役作戦の様相について米国防総省は、「複数の戦区戦力が参加し、地理的には西太平洋からインド洋に広がり、統合火力打撃、島嶼封鎖、島嶼侵攻作戦などの攻勢作戦と、防空、国境防衛、対上陸作戦などの防勢作戦が遂行される。非戦争軍事行動も含まれ、海外での作戦、他国軍との共同作戦も行われるようになるであろう」とみている。

 特に、台湾と日本の南西諸島に対する侵攻では、PLAの主に東部戦区と南部戦区の戦力が使用され、米軍の来援阻止のために北部戦区の海軍が使用されるかもしれないとみている。

 以上のようなPLAの戦略、「戦役」教義と以下の軍事力バランスに基づき、尖閣と台湾に対する侵攻のシナリオと様相を分析する。

台湾海峡両岸の軍事力バランスに関する米国防総省の見積とその分析

 上記報告では、中国と台湾の戦力データとして、台湾両岸の陸海空軍およびロケット戦力について各付表を付している。

 前記の、米国防総省のPLAに関する軍事力の発展報告と各付表の台湾海峡両岸の軍事力バランス評価から、以下のような点が指摘できる。

 台湾での軍事作戦に参加するのは、東部戦区と南部戦区の陸海空軍が主であるが、人民武装警察指揮下の海警局と武装海上民兵の舟艇も参加するであろう。北部戦区海軍は洋上での米軍等の接近阻止あるいは他の戦区海軍の支援をするかもしれない。

 宇宙、サイバー、電磁波戦は戦略支援部隊の支援の下、平時も含めた早い段階から隠密裏あるいは奇襲的に実施され、戦争目的達成に最大限に活用されるとみられる。

 また、選挙介入、輿論操作、プロパガンダなどの「三戦(心理戦、輿論戦、法律戦)」、破壊工作、民兵や特殊部隊を使用したグレーゾーンの戦いなどの「非戦争の軍事行動」と、海外基地を活用した遠距離での作戦、ロシア、パキスタン、イラン、北朝鮮などの各国との共同作戦なども実施されるとみられる。

 戦力比較表から、地上戦力については、兵員数は総兵力で十数倍、戦車、火砲など主要装備で6~8倍、正面戦力では兵員数で4~5倍、部隊単位では数倍程度の格差がある。

 PLAには6個旅団の水陸両用旅団と7個の空挺旅団がありヘリボーンが主の空中攻撃旅団も7.5倍編制されている。これらの戦力による迅速な多正面からの立体包囲作戦が脅威となるとみられる。

 海軍戦力については、正面戦力でも駆逐艦が約6倍、潜水艦はPLAの原潜6隻を含む38隻に対し台湾は2隻しかない。

 PLA海軍は空母2隻、巡洋艦1隻、コルベット39隻を保有しているが、これに対抗する艦艇は台湾側にはない。

 上陸用艦艇についても、正面で51隻に対し14隻と4倍近い差があり、特にPLAの戦車揚陸艦、ドック型揚陸艦などの大型揚陸艦艇が増加している。PLAのミサイル哨戒艇は総数で約倍、正面で1.5倍に上る。

 その結果、潜水艦、各種艦艇・航空機からの長射程ミサイルの集中攻撃などによる洋上での台湾封鎖、台湾の地上目標制圧、米海軍空母艦隊の来援の遅延と阻止、さらに水陸両用艦艇を使用した迅速な大規模上陸侵攻支援に適した戦力構造になっている。

 また民間船舶の動員による後続上陸戦力と兵站輸送能力の増強にも注意が必要である。

 航空戦力については、戦闘機の総機数で4倍近い差があり、正面では1.5倍の格差がある。また、爆撃機は台湾側にはない。

 輸送機の総数は13.3倍の格差がある。長距離輸送力があり総機数の大半の台湾正面への集中は可能とみられる。その他の民間航空機の動員による輸送力増強も注意が必要である。

 航空戦力バランスについて全般的には、長距離の爆撃機、輸送機の戦力は中国側が優位にある。

 また第4世代機以上の近代化された戦闘機戦力約800機は、域内の米軍と日台韓の航空戦力にほぼ等しく、近代化が質量ともに進んでいる。

 台湾海峡と東部を含む周辺の航空優勢は、米軍空母艦載機の来援がなければ、PLA側に奪われることになるとみられる。

 ロケット戦力については、射程が300キロ以上の各種ミサイル戦力はPLAが一方的な優位にある。

 短距離ミサイルでも移動式であり、300キロあれば台湾海峡を射程下に入れ、西岸からの台湾侵攻を掩護できる。

 新型の短距離ミサイルは射程が約1000キロあり、台湾海峡や日本の南西諸島周辺を制圧できるだけではなく、台湾と沖縄の東部海域を攻撃することも可能であり、米海軍の来援阻止に使用可能とみられる。

 また射程が1500キロから3000キロの準中距離ミサイルは日本全土を攻撃でき、射程約3000キロ以上の中距離弾道ミサイルはグアムも制圧できる。

 特に通常弾頭の対艦弾道ミサイル「DF-21D」は洋上の空母など大型艦を攻撃でき、「DF-26」は核・非核両用でグアムを攻撃できるとみられ、いずれも米軍から重大な脅威と見られている。

 これらの各種ミサイル火力が有事には、米空母来援の遅滞と阻止のためのA2/AD戦略の基幹戦力となるとともに、当初の奇襲段階では台湾、尖閣諸島、南西諸島、必要に応じ日本本土、グアムに対する攻撃に使用されるとみられる。

 以上から総合的に判断して、台湾に対する中国の各種戦力要素の優位はますます高まっており、圧迫も強まっていると判断される。


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